俺より強いやつに会いに行く

このキャッチコピーは、格闘ゲームブームの火付け役となった『ストリートファイターII』のものである。ゲームセンターに入荷されるやいなや行列ができるほどの大人気で、小銭を握りしめて順番待ちしたのも今となっては懐かしい思い出だ。当時は格闘ゲーム初心者のため、必殺技コマンドが比較的簡単なエドモンド本田を使用していた。

四天王が使用可能になった『ストリートファイターII'」が出る頃には、ストIIだけしか置いていない「インベーダーハウス」ならぬ「ストIIハウス」も存在した。ちなみに川越で見かけた。インベーダーのヒットにより亜流のゲームが、テトリスの人気に続いて様々なパズルゲームがリリースされたように、それから数年に渡り様々なゲームメーカーから格闘ゲームが登場することになる。

アーケードゲームだけでも『チャタンヤラクーシャンク』『マーシャルチャンピオン』『バーニングライバル』『シュマイザーロボ』『タオ体道』『パーフェクト・ソルジャーズ』『バトルクロード』『大江戸ファイト』…。

もちろん海外勢も負けてはいない。

MORTAL KOMBAT』を始め、『TIME KILLERS』や『KILLER INSTINCT』…コンシューマー機では前に紹介した『ClayFighter』など。 

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64bit 級ゲーム機として登場した ATARI Jaguar 専用対戦格闘ゲームとして『KASUMI NINJA』が登場したのは 1994 年。もちろん『DEAD OR ALIVEや『NINJA MASTERS』とは何の関係もない。噂によると ATARI Jaguar の国内販売台数は 3,000 台程度だったとのことなので、当時このゲームを遊んだ日本人は少ないと思う。

格闘ゲームのキャラクター選択画面と聞くと、どのようなものを思い浮かべるだろうか。ゲームによって画面構成は多少違えど、使用可能なキャラクターの一覧が表示されて、レバー操作で選択してボタンを押すことによって対戦ステージへと切り替わる。KASUMI NINJA の場合は「ONE PLAYER STORY MODE」を選択すると謎の建物内に飛ばされて、使用したいキャラクターの石像の方を向いてから選択しなければならない。

操作性については、まず ATARI Jaguar 付属のコントローラーがどのようなものか見ていただきたい。

Atari Jaguar - Wikipedia

コントローラーに搭載されているテンキーは、ゲームによってオーバーレイシートを差し込むことができ、一般的なゲームコントローラーでは味わえない細かな操作を可能とする。オーバーレイシートは古くはオデッセイや VECTREX (高速船) で使用された由緒正しきゲームアイテムである。ATARI Jaguar を代表する『ALIEN VS PREDATOR』には、「海兵隊」「プレデター」「エイリアン」用のオーバーレイシートが付属する。そのため、コントローラーのサイズが大きくなり、テンキーを使用しないゲームの場合は逆に操作し辛いのである。

必殺技コマンドについても「レバー入力+ボタン」ではなく、「ボタン+レバー入力」と一般的な格闘ゲームとは異なる作法である。あと、フェイタリティのタイミングで「超能マジック」と言っているようにしか聞こえない。

たいていの格闘ゲームには「色物キャラ」が存在していると思うが、全てのキャラクターが色物のようなこのゲームでもひときわ異彩を放っているのが「Angus MacGreggor」である。彼のステージの妙にのどかな BGM、そしてスカートを捲って股間から火の玉を発射する必殺技「FIREBALL」など何が何だかよく分からない。ボールからファイヤーを発射するという意味なのだろうか。

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後もうひとつ紹介しようと思っていたが、記事が思ったより長くなってしまったので今回はここまでとする。