ODEN SPHERE

冬といえば『おでん』。おでんといえば大根、蒟蒻、練り物…と様々な具材を想像するだろう。

ここでは一人暮らしの「ボッチおでん」を考えてみよう。シャトルシェフスロークッカーなどは所持しておらず、雪平鍋単体運用を前提とする。後はいかに手間を掛けずに作るかである。

まず大根と蒟蒻は使わない。これらの「定番」を入れると他の具材が入らなくなってしまう。前処理と煮込む時間を加味すると、プロかコンビニに任せたほうが無難と考える。牛すじも同様。

理由は後述するが作るのは食べる前日。おでん種は沢山買って冷蔵庫に入れておけば引き篭もりが捗る。自分だけが食べるのだから、具材は自分の好きなもののみで構成する。

僕が譲れないのは玉子と餅巾着。この2つを主軸として脇を固めるのはイカ巻き、茹でだこ、粗挽きソーセージ、手羽中。これらはスープに複雑な風味を加えてくれるナイスガイ達だ。下ごしらえは簡単。手羽中は一度茹でてアクを抜いておく。適当なサイズに切ったタコに爪楊枝を刺す。硬ゆで玉子を作って殻を剥く。

調味料を持っていないのであれば市販の粉末スープを使った方が経済的だが、自炊をしていてある程度の調味料が手元にある場合は自分で作ってしまおう。水1リットルに対して醤油と味醂を 30cc 程度、砂糖を大匙2杯、粉末だしは小さじ一杯くらいで良いだろう。火をかけつつ味見をして好みの味に調整する。味見超重要とても重要。煮る過程で濃くなるので、スタート時は少し薄いくらいで良いだろう。濃いかなと思ったら水で薄めれば大丈夫。大切なのは自分好みの味かどうかである。

あとはこのスープに具材を投入して適度に煮る。吹きこぼれに注意。昔であればストーブの上に鍋を置きっぱなしにすることで、いつでも温かいおでんを食べれるシステムが構築できたのだが今は未来なので仕方がない。

煮えたら大きめの容器やステンレスボウルなどに移してラップを掛け、冷めたら冷蔵庫に一晩入れておく。これによって具材にスープに染みてくれる。カレーと同じ。

餅巾着はすぐ煮えるので、再加熱の直前にスリット付きのパック餅を手で半分に割って、半分に切った油揚げに詰めて口を爪楊枝でとめる。油抜きは面倒なのでしない。まとめて作ってラップを掛けておいても良い。あとは食べたいだけの分量を鍋に入れて、弱火で10分ほど温めたら食べるのみ。

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まず良い感じにスープを吸った熱々の餅巾着を味わい、次に玉子以外の具材を食べ進める。そして最後に玉子の黄身を崩してスープに溶かしつつ一緒にいただくのである。ターン終了。

ここからは、お腹が空いた → 冷蔵庫から出して温める → スープが濃くなってきたら水を追加 → 具材が寂しくなってきたら追加して煮る → 冷蔵庫で保存…と「無限おでん」が始まるのである。餅巾着が美味しくてデブ活も加速する。