VALUE up

VALUE up』という雑誌をご存知だろうか。当時の国民機である PC-9801 の互換機を出していた EPSON の情報誌であるが、あまり知られていないような気がする。

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前置きはともかく、僕が初めて買ったデスクトップパソコンは EPSON の『PC-386M』であり、それまで所持していた CASIO の 8bit ポケコン『PB-700』に比べて圧倒的に高性能高画質なコンピューターであった。この機種にした理由は、同性能の『PC-9801ES』に比べて定価が安いというシンプルな理由から。

CPU は Intel 製 386SX なので一応は 32bit に分類されるが、廉価版ゆえにバスは 16bit であり、MS-DOS 3.3 などで使用している限りは、単に早い 16bit パソコンのようなものである。

本体は秋葉原の知る人ぞ知る「マヤ電気」で現金即決。ディスプレイは「フロッピー通販」の実店舗で三菱製のを定価の4割引きぐらいで買ったと思う。マウスは和知電子のバスマウスで 5,000 円くらいしたかも。これらの店は既に存在しない。

同時に購入したゲームは FTL Games の名作ゲーム『ダンジョンマスター』と  ARTDINK の『地球防衛軍Ⅱ: FAR SIDE MOON』である。前者はバグっていたので、ビクター音楽産業から修正ディスクが送られてきた。

結論から言うと、どちらも当時の僕の手には追えないものだった。

ダンジョンマスターはマニュアルの他に、キャラクターや呪文のシンボル説明が記載された4つ折りフルカラーシートが入っていたのだが、なにせパソコンでゲームをやるのは初めてなので、瞬く間に飢えて松明不足に陥ったあげく輩に囲まれてフルボッコ、速やかに白骨化という見事なコンボを決めることとなる。

地球防衛軍Ⅱでは設計に長い時間を消費した挙句、オートモードの戦闘で瞬く間に自機を破壊される…とパソコンゲームの洗礼を受けたのであった。

そのような仕打ちを受けてなお、もっと生易しいゲームは無いものかと秋葉原で彷徨い続けて発見したのが、Broderbund から発売された『PRINCE of PERSIA』である。ラジオ会館にある店だったと思うが店名は忘却した。

その店では発売前のデモが流れており、滑らかなプリンスの動きに感動して即予約。何週間か発売を待って手に入れた。

当時のログイン誌にはこのゲームの攻略記事が連載されており、そのおかげで下手なりにステージを進めることができ、テンキーを酷使しつつジャファーを打ち倒してエンディングを見た時は感動したものである。

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同じく Broderbund は『WINGS』というシューテングゲームを出している。

Amiga 版『WINGS OF FURY』では戦闘時に SE のみであったものが、国内パソコンに移植されるにあたって BGM が追加された。シューティングゲームの BGM とは思えない、なんとももの哀しげな感じがゲームの雰囲気にマッチしていて素晴らしい。

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この動画のコメント欄には作曲者自身が降臨しており、現在はイタリアのローマでストリートミュージシャンとして活躍しているとのことらしい。